お魚よもやま話

「銀(ギン)」の名の付く旨い魚

「銀(ギン)」の名の付く旨い魚。
例えば、銀鱈(銀ダラ)、銀鮭(銀ザケ)、銀ガレイ(カラスガレイ)、銀ムツ(メロ、マジェランアイナメ)など、どれもが冷たい海で獲れ、身質、風味、脂の乗りのレベルが高く、世界中で高値が付きます。

また、どれもが大型魚で、店頭では骨を取り除いた切身、ブロック身で並びますので、全体像を見たことのある人は、ほとんどいないと思います。
骨も無いことからお子さまからご高齢の方々まで、美味しく食べやすい魚として人気があります。


銀鱈(銀ダラ)


銀鱈(ギンダラ)は国産は稀で、ほとんど全てがアメリカ(アラスカ)、カナダなどから冷凍フィレで輸入されます。

外観はまだらに似て、色合いが銀(?)色であることが名前の由来です。
数百メートルの深海性の魚で、1m前後の大きさになります。

ギンダラの身は脂肪分と水分が多く、味にはクセがなく旨味があり、かなり美味しい魚です。
かっては日本が輸入国の断然トップ(70%超え)でしたが、中国やドイツ、ロシアなどでの需要も急増しており、国際間で資源の奪い合いと価格上昇の兆候が見られます。

冒頭でも述べたように切身で販売されます。
脂があるので、濃いめの味付けで、照焼きや煮付けにすることが多いです。また、漬け魚(西京漬け、粕漬け、塩麹漬け)にも向いています。

脂が多い魚に共通することですが、冷凍でも劣化が少なく、保存性に優れています。

銀鮭(銀ザケ)


銀鮭(銀ザケ)は北部太平洋地域(千島列島、オホーツク、ベーリング海など)に生息し、北海道の河川には遡上しません。

外観は白鮭に似ていますが、肌目が銀色で、背部から尾にかけて小さな黒点を有することが特徴です。

かっては北洋サケマス漁業で漁獲されていましたが、資源保護の為の漁獲量制限や操業海域の縮小などにより漁獲が減っており、成長が早い事で注目されたことから、1976年 宮城県志津川湾で海面養殖が開始されました。

しかし低価格なチリ産(通称「チリ銀」)の輸入影響を受け低迷、さらに2011年 東北地方太平洋沖地震発生時の津波により、養殖施設に壊滅的な打撃を受けたことから、以降今日まで低迷が続いています。

主に塩鮭にされることが多く、一般的にサケ(白サケ)よりも脂があることから好まれています。
スーパー、魚屋、弁当屋などにおいての塩鮭はギンザケが原料であることが多いようです。

銀ガレイ(カラスガレイ)


銀ガレイ(カラスガレイ)は、主にオホーツク海、ベーリング海、北米大陸、カナダ北部大西洋の水深50m~2000mに生息し、体長は1mを超えます。

寒い地域で漁獲されるため、一般に冷凍フィレで流通します。
身質はきめ細やかで、トロっとしていて旨みがあります。

一般的には、煮付け、フライ、ムニエル、漬け身、蒸し物に調理されますが、回転寿司の「エンガワ」に本種が使われています。

稀に鮮度の良い近海物は、刺身で食することが出来ますが、これはまさに絶品です。

銀ムツ(メロ)


銀ムツ(メロ)は、2003年にJAS法が改定され、従来の「銀ムツ」と言う名前での販売が禁止され「メロ」と言う流通名(市場名)で、食用白身魚として広く利用されています。
「銀ムツ」という表記は禁止されましたが、「銀ムツ(メロ)」という表示は許されています。

標準和名はマジェランアイナメと言い南極海域に属する「マゼラン海峡」に由来します。
漁獲国はチリ、アルゼンチン、オーストラリア、南極周辺であり、水深70m~1500mに生息します。

成魚は体長1mを超える大型魚で、日本には頭と内臓を除いた状態(ヘッドレス・ガッテッド、略して”ドレス”と言います)の冷凍魚で輸入されます。
ですから、この魚の全体像を見た事のある人はほとんどいないと思われます。

アメリカ合衆国と日本で、世界の漁獲高の90%程度が消費されていると言われますが、世界的に需要も急増しており、国際間で資源の奪い合いと価格上昇が見られます。

身には大変脂が乗っていて、旨味もあり、美味しい魚です。
脂の質もわりとすっきり、冷えても固まらないということは、カロリーはともかく、コレステロールの心配はないということです。

その脂の乗った白身は、照焼き、煮付け、漬け焼き、塩焼きなどに用いられています。
またソースやハーブを用いた洋風料理にも利用され大変人気があります。

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