富山ってこんなところ

越中五箇山にある世界遺産 ~合掌造りの集落~


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五箇山(ごかやま)は、富山県の南西端にある南砺市(なんとし)の旧平村(たいらむら)、旧上平村、旧利賀村(とがむら)を合わせた地域を指します。
5つの谷からなるので「五箇谷間」となり、これが転じて「五箇山」の地名となりました。この地は、平家の落人が住み着いたと伝えられています。

1183年、富山県と石川県の県境にある倶利伽羅(くりから)峠で、木曽義仲(源義仲)と平維盛(平清盛の孫)が戦いました。
この時、義仲は火牛の戦法で平家に大勝しましたが、その平家の残党が五箇山へ落人として逃げ隠れたとされています。

この地は陸の孤島であり、江戸時代には、加賀藩の流刑地とされ、当地を流れる庄川に橋を架けることが許されず、住民はブドウのつるで作った大綱を張り、籠をそれに取り付けて「籠渡し」としました。

この地域は世界的に見ても有数の豪雪地帯であり、そのような風土から傾斜の急な大きな屋根を持つ合掌造りの家屋が生まれました。
現在も南砺市(旧平村)の相倉地区や同市(旧上平村)の菅沼地区には合掌造りの集落が残っており、岐阜県大野郡白川村の白川郷とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として1995年12月世界遺産に登録されました。
この3集落には、国内では珍しい大型の木造家屋「合掌造り」89棟があり、これらと集落の歴史的景観を形成する周辺の自然環境が、わが国6番目の世界遺産の指定対象地域(約68ha)になっています。

「合掌造り」とは、勾配が60度に急傾斜している屋根を丈夫にする為のサシという特殊構造を用いた切妻屋根茅葺木造家屋のことで、豪雪などの自然環境に耐え、養蚕に必要な空間を備えた効率的な造りになっており、大変ユニークなものです。
これらの集落は、庄川上流の日本有数の山岳・豪雪地帯にあり、釘やカスガイを使わない建築様式、板壁の使用、年中焚かれるいろりの煙が果たす防虫効果など厳しい地形と気候風土の中で培われた独自の伝統的生活様式の知恵が終結され、「日本の心のふるさと」ともいえるノスタルジックな風土が独特の文化を形成しています。

このように、合掌造り家屋がまとまって残り、良好に保存された周囲の自然環境と共にかっての集落景観を保持する3集落の普遍的価値が、世界遺産としての評価を得、現に今も人々が暮らす民家群が人類も遺産として認められたことは、大変意義深いことです。

かって秘境と呼ばれた白川郷・五箇山へも、現在は飛越峡合掌ラインが整備され、冬でも訪れることが出来ます。

これらの合掌集落は世界遺産に指定されたとは言え、一般の人々が今でも日常生活を送っている民家で一般的な観光スポットと違い、土産物屋など観光客向けの店がズラリと軒を連ねて商売合戦を繰り広げているといったような俗化された雰囲気はほとんどなく、のどかな暮らしがそのまま残っているという感じです。
いつまでもこのままであって欲しいものです。

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